SHIRASE5002活用事業

SHIRASE5002活用事業SHIRASE5002は日本で三代目の南極観測船です。
現在は現役を引退し、2010年5月より千葉県船橋港に係留し、
当財団の事業目的を達成するための活動拠点として利活用しております。
SHIRASE5002の誕生から現在の状況については次のとおりです。

Ⅰ.しらせの誕生

しらせは先代の南極観測船「ふじ」の老朽化と昭和基地への輸送力強化を受けて開発され、1982年11月より就役しました。その後、1983年11月の第25次南極観測支援行動を皮切りに南極への航海を開始しました。

進水
1981年12月11日(日本鋼管鶴見造船所)
就役
1982年11月12日(海上自衛隊横須賀地方総監部)
所属
海上自衛隊横須賀地方総監部

*南極観測事業自体は文部科学省が予算執行を行いますが、南極観測船の運用は海上自衛隊で行われています。
このため、船の呼び名が異なり文部科学省では「南極観測船」、海上自衛隊では「砕氷艦」とされています。
念のため本文では南極観測船の呼び名を取らせて頂きます。
海上自衛隊による南極観測との関わりは先代の「ふじ」の時代より行われており、初代南極観測船「宗谷」は海上保安庁が運用しておりました。

Ⅰ.しらせの誕生

Ⅱ.しらせの名称の由来

Ⅱ.しらせの名称の由来


海上自衛隊が運用する艦船の名前は、気象・海象などの自然現象や地名などから採用されます。このためしらせの名前は、昭和基地の南方にある”白瀬氷河”の地名を採用しています。この氷河は、もともと無名であったため、日本で初めて南極へ出かけた冒険家”白瀬矗中尉”の功績を称えて名付けられました。よって、しらせの名前は白瀬矗中尉が間接的に関与しています。
 

Ⅲ.活躍ぶり

先代の南極観測船「ふじ」よりも倍の大きさを誇り、厚さ1.5mの海氷を時速3ノットで連続航行することが出来ました。また、チャージング(ラミング)航海時には厚さ5m程度の海氷を割りながら航海することが可能でした。これにより25回の南極航海中、24回も昭和基地へ接岸させることが出来、成績優秀でした。ちなみに歴代の南極観測船の接岸回数/南極航海数は宗谷0/6、ふじ6/18、しらせ24/25となり、2代目しらせは2回接岸が出来ませんでした。1,000tにもおよぶ物資を搭載することが出来たため、昭和基地へ多くの資材や機材を運搬した結果、日本の南極観測事業を大きく前進させることが出来、南極の自然環境の解明に大きく貢献しました。砕氷性能が高かったため、オーストラリアの砕氷船(ネラ・ダンやオーロラ・オーストラリス)が南極の氷海で身動きが取れなくなった際や急病人(スペインの漁船)が発生した際は、救護するための活動なども行い、国際的にも評価されました。日本に帰国している間は、修繕のためドック入りしますが、毎年9月~10月になると乗員の訓練を行いながら日本国内の5箇所の港へ寄港し、しらせと南極観測の役割についての啓発活動が行われ、多くの日本国民が南極観測事業へ理解を示すことが出来ました。砕氷性能を高めるため船底はすり鉢形状しており、動揺しやすい構造となっています。このため、日常的に荒天が続く南極海を航行する際は大きな動揺に悩まされ、今までの船体の横揺れ傾斜角度は左方向に53°、右方向に41°を記録しています。

Ⅲ.活躍ぶり

退役後はスクラップの危機に
2008年4月12日に25回の南極航海を終えて東京晴海埠頭へ帰国。その後7月30日に退役し、二代目しらせにその座を譲ることとなりました。文部科学省では、しらせ後利用委員会を設立し、しらせの退役後の利活用についての公募を募った結果、多くの団体が名乗りを上げたものの、その大きな船体が故に維持費用等が掛かることから2008年10月24日にスクラップにすることが決定されました。これを受けて船内に有った所蔵品等は取り外され、メモリアル品として、南極観測やしらせに縁のある場所で展示・保存されることになりました。

第二の船出~しらせからSHIRASEへ~

第二の船出~しらせからSHIRASEへ~
民間気象会社ウェザーニューズの創業者である石橋博良は、しらせのスクラップに関して、歴代の南極観測船は活用されてきたものの、”しらせ”をスクラップにすると南極観測の文化継承が途切れることを心配しました。また、自らしらせを「環境のシンボル」として活用していくことを文部科学省へ提案しました。その後、しらせ後利用委員会が再結成され、再公募が行われ、5団体が応募しました。後利用委員会による現地視察や応募内容のプレゼンテーションを経た後に審議した結果、ウェザーニューズ社による利用計画が最も実現可能性が高いことが認められ、2009年11月9日に南極地域観測統合推進本部総会にて後利用先をウェザーニューズ社にすることが決定されました。退役後、海上自衛隊横須賀港に係留されていた”しらせ”は2010年2月10日に引渡式を行い、改修のため三菱重工株式会社横浜製作所本牧工場のドックへ曳航されました。この時、より世界に”しらせ”の名前を知ってもらいたいということや、二代目しらせとの違いを明確にすることを目的として、船名をしらせからSHIRASEに改称し、船体へ新たにSHIRASEの表記を記載することになりました。改修を終えたSHIRASEは3月31日に同ドックを出渠し、船橋港へ曳航されました。2010年5月2日(5002にちなんで5月2日)に船橋港にて一般公開が開始され、第二の船出を開始しました。
震災復興に向けて
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響により、SHIRASEを係留している京葉食品コンビナート南岸壁では液状化現象が発生しました。船体や係留設備への影響はほとんどなかったものの、岸壁で大きな水たまりが出来たことなどから、従来行ってきた乗船を当面の間中止することとしました。しかしながらSHIRASEの震災復興の在り方について考えた結果、ウェザーニューズ社の創業のきっかけともなった福島県小名浜港へ曳航し、環境観測や気象リテラシーの向上、地域の皆様への元気づけを目的とした一般公開を実施しました。その結果、1万2千人余の乗船者が有り、地域の皆様の活気付けを支援することが出来ました。
震災復興に向けて
SHIRASEとしらせの揃い踏み
SHIRASEとしらせの揃い踏み
2011年9月30日~10月2日には二代目しらせがSHIRASEの前方に着桟することになり、船橋周辺の皆さまを中心として1万人の方が両船の取組みに理解を示してもらうことが出来ました。この取組みは多くのメディアが取り上げてくれたことも有り、SHIRASEの存在価値を高めることが出来ました。同様な取組みは機会があれば今後も地域の皆様の協力を得ながら実現できるようにしてまいりたいと思います。
WNI気象文化創造センターへの所有権移転
このような大きな船を1つの企業が利活用していくには限界が有ることや、より多くの共感者を巻込みながら活用し、より公益性の高い取組を行っていくことが必要であるとの考えより、SHIRASEの所有権移転も視野に入れた計画を立案しました。これを基に関係各局へ相談した結果、2013年9月2日よりSHIRASEの所有権を株式会社ウェザーニューズから一般財団法人WNI気象文化創造センターへ移転することとなりました。この財団はウェザーニューズ社の創業者である石橋博良が気象リテラシーの向上を目的として設立されたものです。

IV.現在の利活用

WNI気象文化創造センターに所有権を移転したSHIRASEは現在、

  • 1.乗船ツアーによる公開
  • 2.イベントでの利活用について
  • 3.その他目的に応じた利用を行っています。
乗船ツアーによる公開について
乗船ツアーによる公開について
SHIRASEの当時の姿や現在の取り組みについて知って頂くことを目的として、元乗員による船内ガイドツアーを行っております。ツアーはSHIRASEの隣りにあるサッポロビール㈱千葉工場の工場見学とのセットで行っております。コラボレーションツアーのお問合せ、申込み方法については以下を参照願います。
http://www.sapporobeer.jp/brewery/chiba/kengaku/
イベントでの利活用
地球で起きている五つの現象(気象・地象・海象・水象・宙象)を、五つの季 節(春・梅雨・夏・秋・冬)に、五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)で楽しむというテーマのもと、地域の皆さまや縁のある方々の協力を得ながら自然環境 のさまざまな事象を通じて考え、季節の恵みや脅威を五つの季節の中から感じ取り、自らの五感で自然の恵みや豊かさを体感するイベント(チャレンジングSHIRASE)を年間五回の頻度で行っています。詳しくはSHIRASEのホームページ(http://shirase.info/)を参照願います。
イベントでの利活用

Ⅴ.みなさまもSHIRASEを利用することが出来ます

SHIRASEは25年間に亘って南極観測を支えてきた船で、多くの成果を得てきました。
この活躍ぶりを踏まえ、環境のシンボルとしてSHIRASEを活用し、地域の皆様との交流の場、情報共有の場として
プラットフォームの役割を果たしていきます。また、ご要望に応じて船内を有料で利用することも可能です。
主な利用内容は次のとおりです。

研修場所
研修場所
地球環境や海の安全をテーマとした会議やセミナーや、企業研修会の会場などとして利用出来るようにしております。
映画・ドラマの撮影
海や気象、環境などに関連したテーマを含んだ映画やドラマの撮影場所として利用出来るようにしております。
映画・ドラマの撮影
観測隊員・乗員OBの皆様による懇親
観測隊員・乗員OBの皆様による懇親
現役当時に乗船されてきた観測隊員や乗員、それに関連する皆様を対象とした懇親会場としても利用していただいております。SHIRASEで当時の仲間とともに当時の思い出を語り合って見てはいかがでしょうか。懇親会場として利用していただいた後は、皆様がお持ちの当時の資料などを展示物としてSHIRASEにお分けして頂ければ幸いです。
大規模災害時の減災インフラとしての利用
SHIRASE周辺で大規模災害が発生した際は、SHIRASEを係留する食品コンビナートに勤務される方々の緊急避難場所として活用します。
大規模災害時の減災インフラとしての利用
サポーターズクラブによる修繕
サポーターズクラブによる修繕
チャレンジングSHIRASEを通して募集した、SHIRASEサポーターズクラブ会員の皆様を対象に船体塗装などの取り組みを定期的に行っております。SHIRASEの船体を修繕したいという気持ちと船体を大切に使っていきたいという気持ちを大事にしながらこの取り組みを進めてまいります。サポーターズクラブの入会手続きは、チャレンジングSHIRASE開催時にSHIRASE船内にて行っておりますので、興味がございましたら入会登録頂ければ幸いです。
利用についての問合せ先
SHIRASEの利用に関するお問合せやご意見がありましたら、次のところまでメール頂けると幸いです。
一般財団法人WNI気象文化創造センターSHIRASE担当
shirase-goiken@shirase.info